2013/01/05

魔法のフライパンを手入れする

2012年12月時点で納期7ヶ月待ちの人気フライパン、「魔法のフライパン」。

スキレットが100円均一で売られていたり結構安価な製品が多い鋳物製。
しかし、「魔法のフライパン」は26cmサイズで10,500円とかなりの高価格。
そして「魔法」というネーミング。

魔法のように「錆びない、くっつかない、料理が上手に出来る」フライパンで、だから高価なのも納得!と思い込んでしまいがちですが、いくら「魔法のフライパン」でも鉄のフライパンであることには変わりなく、それなりの手入れが必要なんですよね。

今回、1年ほど使用した「魔法のフライパン」を手入れする機会がありましたので、レポートします。

1年ほど使用した「魔法のフライパン」
良く使い込まれた黒色にみえますが、これは最初から施されている塗装です。

腐食したパン肌
パン肌をよく見ると、「黒い塗装」の下にボコボコと穴が開いているのがわかります。錆や焦げ付きなどでこうなっていると思われます。
せっかくのダグタイル鋳鉄もこれでは台無し。
卵なんかのタンパク質系の料理ではくっつきやすく、肉などをソテーしてもうまく焦げ目をつけられないと思われます。

同じように、魔法のフライパンを1年程使われた方が画像をあげています。

IHと「魔法のフライパン」の1年後
http://plaza.rakuten.co.jp/wakacorosoucoro/diary/201102210000/

上記ブログでは、「しっくりなじみ」と書かれていますが、画像を見る限りでは、パン肌がかなり荒れており、相当くっつくフライパンになっていると思われます。

こうなると、クレンザーや金たわし程度では落とせませんので、サンドペーパーで磨きます。

ここで一つ気になるのは、
「魔法のフライパン」に施されている黒い塗装。(※1)
サンドペーパーで磨くということは、この塗装も剥がすことになってしまいます。
剥がしてしまってもよいのか?


※1:魔法のフライパンと同じ鋳物かつダグタイル鋳鉄で色味もそっくり、値段も同じ川口鋳物のフライパンを見ると、シリコン系耐熱塗料を使っているので、おそらく同じ塗料と思われます。しかし、公式にはされていません。(2013/4/6 錦見鋳造に問い合わせたところ、黒色の食品用塗装(シリコン系)とのことでした。)

参考)“熱対策を塗料で実現する設計者のための技術サイト|熱対策塗料.com”
 http://bit.ly/V91yc7

メーカーの錦見鋳造のFAQを見てみます。
http://www.nisikimi.co.jp/faq/

塗装されているワケはこんな感じで書かれています。
↑塗装されているワケ

➡錆びやすい、焼き入れが必要、という鉄のフライパンの欠点を「塗装」することで解消しているとのことです。
そして黒皮鉄やブラックポットなんかに似た漆黒色で印象を良くする効果も狙っているのかな?と、あくまで個人的な想像ですが・・・

とにかく「魔法のフライパン」には「塗装」がされています。

しかし塗装は塗装。いずれ剥がれるもの。
どういう仕組みで焼き入れ不要にしているのか、わかりませんが、基本的には焼き入れしていない鉄は酸化皮膜(いわゆる黒錆、青錆)が形成されていないため赤錆が発生しやすく、油なじみもしません。(油なじみとは、酸化皮膜という「錆」の中に油が入り込むことです)

そして焦げ付いた場合のFAQは、こんな感じで書かれています。

↑サンドペーパーを使用してよいか?

➡「焦げ付いた場合は紙やすりで削り取っていただく方法がある。」と微妙な表現。
「塗装を剥がしてください」とは書かれていませんが、「紙やすりで削り取る」ということはメーカーが施した塗装を剥がしてしまうことになるため、このような消極的な表現なのでしょうか。

ということで、最初の1年ぐらいは錆にくく焼き入れ不要な「簡単フライパン」を演出できる塗装。
しかし、塗装がはがれてきたり、塗装の下が錆びてきたりと、いずれはくっつきやすいフライパンになってしまうと思われます。(今回メンテナンスしたフライパンは、この状態でした)
これではノンスティック加工がだんだん剥がれて使い物にならなくなるテフロンやティファールのフライパンとなんだか同じで悲しいです。

魔法のフライパンを永く使うのであれば、やはり塗装は剥がしておくべきでしょう。
というのが私の結論です。
※あくまで個人的な意見なので、塗装を剥がす際は自己責任でお願いします^^;

メンテナンスの様子と卵のくっつき具合を動画にしましたので、ご覧ください。


くっつかない仕組みさえわかってしまえば、テフロンなどの塗装に頼らない、くっつかないフライパンを手に入れる事が可能です。

道具の特性をしっかり理解して使えば、愛着がわいて楽しく料理できると思います。

参考になれば幸いです!

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